最新更新日付 2019年5月1日

相続登記とは、被相続人(亡くなった人)の名義になっている不動産を、
相続人に名義変更する手続きのことです。

具体的には、亡くなった人が土地、建物、マンションなど、
不動産を1つでも所有していれば、どこかの時点でかならず、
相続人に名義変更する手続き(相続登記)が必要になります。

なぜなら、亡くなった人の名義の不動産を売却する場合も、
相続人が何かしたい場合も、
亡くなった人の名義のままでは何もできないからです。

そして、亡くなった人の名義の不動産を、
相続人に名義変更する手続き(相続登記)は、
その不動産を管轄している法務局でのみ行える手続きとなっています。

つまり、どこの法務局でも相続登記ができるわけではなく、
亡くなった人の名義の不動産のある地域の法務局でのみ、
相続登記の手続きを行うことができるということです。

ただ、相続登記の手続きを行うためには、
相続登記の申請書や、相続関係者全員の戸籍謄本等、
遺産分割協議書や、不動産の評価証明などが必要になります。

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登記(とうき)とは

土地や建物、マンションなどの不動産は、
法務局で不動産登記簿というものが作成されていて、
その登記簿にそれぞれの不動産の情報が記録されています。

たとえば、亡くなった人が所有していた土地については、
土地の所在地番、土地の種類、面積、所有者の住所と氏名が、
法務局にある土地の登記簿に記録されています。

亡くなった人が所有していた建物については、
建物の所在地番、家屋番号、構造、床面積、
所有者の住所と氏名が、建物の登記簿に記録されています。

そして、法務局の登記簿に最初に記録することや、
記録を変更したりすることを、
登記(とうき)と呼んでいるのです。

その登記の中でも、亡くなった所有者の住所と氏名の記録のみを、
相続人の住所と氏名に変更する手続きのことを、
相続登記と呼んでいるわけです。

つまり、相続登記=相続人への名義変更の手続きと言えます。

ただ、一戸建てなどの建物については、
法務局で登記がされていないこともあります。

法務局で登記がされていない建物のことを、
登記が未だされていないという意味で、
未登記建物(みとうきたてもの)と呼んでいます。

そして、未登記建物についてのみは、
法務局に建物の情報が記録されていないため、
相続登記をする必要はないということになります。

相続登記手続きの進め方

① まず、亡くなった人が不動産を所有していたかどうか、
もし、所有していれば、どこに、どんな不動産を所有していたのかを、
すべて正確に調べます。

調べる方法としましては、
亡くなった人の名寄帳といったものを、
市役所などで取得する方法があります。

亡くなった人の名寄帳を取得できれば、
亡くなった人が所有していたすべての不動産を、
最も正確に把握できるからです。

また、名寄帳を取得する際には、
不動産の評価証明も同時に取得しておくと良いでしょう。

なぜなら、不動産の評価証明も、
相続登記手続きに必要な書類だからです。

ただ、名寄帳や評価証明を取得するためには、
亡くなった人とのつながりのわかる戸籍謄本や除籍謄本、
あるいは、改製原戸籍といった戸籍の提出が必要になっています。

そのため、名寄帳や評価証明を取得する前提として、
不動産などの相続に必要な戸籍謄本等の内、
少なくとも亡くなった人とのつながりのわかる戸籍謄本等を、
先に取得しておく必要があるのです。

② 名寄帳や評価証明の取得作業や、
必要な戸籍謄本等をそろえる作業と並行して、
相続人の間で、不動産の相続についての話し合いを済ませます。

そして、遺産分割の話し合いがまとまりましたら、
不動産の遺産分割協議書を作成します。

相続登記では、亡くなった方の遺言書が無い場合は、
かならず、遺産分割協議書(または、遺産分割協議証明書)を、
提出する必要があるからです。

③ 最後に、相続登記の申請書と、遺産分割協議書、
評価証明、戸籍謄本等と一緒に法務局に提出します。

もし、相続登記申請書類に不備や不足があれば、
法務局から電話連絡が来ますので、
不備不足を補正すれば、相続登記完了となります。

なお、相続登記が完了すれば、
相続登記の完了証と一緒に、
法務局から登記識別情報通知をもらえます。

登記識別情報通知というのは、
昔でいう登記済み権利証のことです。

そのため、登記識別情報通知については、
特に大事に保管しておく必要があります。

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相続登記の必要書類と登録免許税

亡くなった人の遺言書が無い場合

・ 相続登記の申請書

・ 亡くなった人の出生から亡くなるまでの連続した戸籍謄本等

・ 相続人全員の戸籍謄本等

・ 不動産の評価証明

・ 遺産分割協議書(または、遺産分割協議証明書)

亡くなった人の遺言書がある場合

上記の遺産分割協議書を除いた書類は同じで、
家庭裁判所で検認済みの遺言書か、
または、公正証書遺言書が必要です。

また、相続登記の申請書には、
登録免許税の金額を記載した上で、
その税額分の収入印紙を法務局に納めることになります。

ちなみに、通常の相続登記の登録免許税は、
全国共通で、不動産の評価額×1000分の4
で計算した金額になります。/span>

たとえば、不動産の評価額が1000万円なら、
約4万円の登録免許税が必要になるということです。

相続登記の期限と相続登記していないと困ること

相続登記については、
いついつまでにしなければならないという期限はありません。

決められた期限がないので、
相続人の気が向いたときに相続登記をしても、
特に支障はないだろうと思われがちです。

しかし、実際にはその時に困らなくても、
あの時すぐに相続登記をしておけば良かったと、
後になってから困ることも多々あります。

なぜ、後になってから困ることがあるのかと言えば、
相続というのは、放っておけばおくほど、
相続登記の手続きに必要な書類が増えて行く可能性が高くなるからです。

たとえば、亡くなった人に配偶者と子供が3人いるような場合、
亡くなった人の相続人は、配偶者と子供3人です。

その後、相続登記を数か月、あるいは数年放っておいた結果、
子供3人の内、1人が亡くなってしまうと、
相続人になる人が増えてしまう可能性があります。

なぜなら、その亡くなった子供が結婚していて、
配偶者と子供数人(元々の被相続人から見て孫)がいれば、
元々の被相続人の相続人は、配偶者と子供2人と、
次に亡くなった子供の配偶者と孫数人ということになるからです。

もし、相続登記をすぐにしていれば、相続人は4人であったのに、
そのままにしておいたことによって、相続人がさらに増えてしまい、
遺産分割の話し合いを、その人達ともしなければならなくなってしまいます。

つまり、元々は相続人ではなかった人達が、
遺産分割の話し合いに加わってくることもあり、
必要な戸籍謄本等も増えるというわけです。

不動産の売却や抵当権設定と相続登記について

土地も、建物も、マンションも、
所有者が亡くなれば、どこかの時点で、
結局は必ず相続登記をしなければならないです。

というのは、誰かに売却するときにも、
亡くなった人から売却することはできませんので、
まず相続登記を行って相続人の名義にしてから、
第三者に売却の所有権移転登記という流れになります。

抵当権設定登記をする場合も同じで、
まず、相続登記をして、相続人の名義に変えてからなのです。

つまり、いざ急いて不動産について売却など何かをしようとしたときに、
相続登記が済んでいなければ、
相続登記を解決するまでいつまでも経っても何も進めることができず、
不動産については何もできないといった事態になってしまうのです。

不動産の買主が決まってからで大丈夫と思っていても、
買主が決まった段階で相続登記の手続きに時間がかかってしまえば、
せっかくの買主を逃してしまうこともありえるのです。

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