この記事の監修者

行政書士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:行政書士、土地家屋調査士。
主な取扱い専門分野:遺産相続手続き全般。

経歴:開業以来16年間、相続手続きに関する業務を全国対応で行ってます。
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遺言書の種類には、公正証書遺言と、
自筆証書遺言などがありますが、
ここでは、一般的に多い自筆証書遺言の時の相続登記を説明致します。

亡くなった人の自筆証書遺言書を発見した人は、
速やかに、亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所で、
遺言書の検認という手続きを受けなければなりません。

この遺言書の検認手続きを受けなければ、
法務局での相続登記の手続きを進めることができません。

なぜなら、自筆証書遺言書については、
家庭裁判所の検認済証明書が添付されてはじめて、
相続手続きに使用できるものだからです。

逆に言えば、検認された証明の無い自筆証書遺言書では、
たとえ相続登記申請書類と一緒に法務局に提出したとしても、
受け付けてもらえないか、却下されます。

上記の理由から、自筆証書遺言書が残されている時には、
まず最初に、家庭裁判所での検認手続きを進めることになります。

亡くなった人の遺言書の内容に基づいて、
相続人への名義変更(相続登記)をしようとする時には、
遺言書の検認手続きを省略することはできません。

ただ、遺言書の形式が、自筆証書遺言書ではなく、
公証役場で作成された公正証書遺言書であれば、
検認手続きをする必要はありません。

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検認手続きにかかる時間としましては、
少なくとも1ヶ月前後はみておかなければなりません。
家庭裁判所が混雑していれば、さらに1ヶ月多くかかることもあります。

検認が完了するまでに時間がかかる理由は、
検認の申し立てがあった後で、家庭裁判所から、
法定相続人の全員の住所宛てに検認の日時などの通知をするからです。

その場合、あまりに直近の日時では、
法定相続人が出席できない可能性がありますので、
大体数週間先の日時を設定するからです。

ただ、遺言書を開封したり、その内容を確認する検認の日に、
法定相続人が出席するかしないかについては、
各個人の判断で決めて良いことになっています。

つまり、遺言書の申し立て者以外の人については、
かならずしも、検認の日に出席する必要はないということになります。

また、遺言書の検認には、自筆証書遺言書の原本だけでなく、
検認の申立書や、関係者の戸籍謄本・改製原戸籍・除籍謄本、
住民票又は戸籍の附票の提出も必要です。

提出が必要な戸籍の範囲につきましては、基本的に、
亡くなった人の出生時から亡くなった時までのすべての謄本類と、
法定相続人の戸籍謄本と住民票(又は戸籍の附票)となっています。

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