この記事の監修者

行政書士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:行政書士、土地家屋調査士。
主な取扱い専門分野:遺産相続手続き全般。

経歴:開業以来16年間、相続手続きに関する業務を全国対応で行ってます。
行政書士のプロフィールはこちら

不動産の権利証とも言える登記識別情報を紛失したら、
法務局で再発行してもらうと良いと考えがちですが、
実は、再発行してもらうことはできません。

登記識別情報は、所有している不動産を、
売却したり、担保設定する時には、
法務局への登記申請書類の1つとしてかならず必要になります。

その大事な時に、登記識別情報が紛失して無い場合には、
法務局で再発行はしてもらえませんので、
登記識別情報の提供の代わりに、別の手続きをする必要があります。

それは、代理人による本人確認情報の作成や、
事前通知制度を利用した手続きとなります。

その場合、司法書士などに依頼することになりますので、
登記識別情報のある場合と比べて、
かなりの費用がかかってしまうことになるのです。

そのため、登記識別情報の取り扱いには、
十分注意をして、権利証と同じという認識のもと、
金庫などで大切に保管しておくことをお勧めします。

スポンサーリンク

また、登記識別情報の紛失の理由として、
盗難にあった場合が考えられます。

ただ単に、紛失しただけなら、上記のように、
代理人による本人確認情報の作成や、
事前通知制度の手続きで良いのですが、
盗まれた場合には、さらに別の手続きが必要になります。

具体的には、登記識別情報が盗まれた可能性がある場合、
その不動産を管轄している法務局の登記官に対して、
登記識別情報の失効の申し出をする必要があります。

なお、登記識別情報が盗まれた可能性がある場合だけでなく、
目隠しシール内の英数字の記号を、司法書士などの専門家以外の人など、
誰かに見られてしまった場合も同様です。

また、現在では、登記識別情報の目隠しシール内を見られるだけでなく、
目隠しシール内のQRコードをコピーされたりすると、
権利証が盗まれたのと同じくらいの危険があります。

そのような場合に、登記識別情報の失効の申し出をしていないと、
盗まれた登記識別情報が、不正に使用されることもありますので、
失効の申し出の方法については、法務局に相談すると良いでしょう。

そして、そのようなことの起きないような事前の対策としては、
登記手続きの時以外は、目隠しシールをはがさずに、
そのまま大事に保管することです。

ちなみに、登記識別情報通知の目隠しシール内の、
12桁の英数字の記号番号についても、変更することはできません。

あくまで、登記識別情報は、
不動産の所有権者であることの、本人確認が目的となっていますので、
暗証番号とも言える目隠しシール内の英数字は、簡単に変更できないわけです。

つまり、登記識別情報を紛失してしまった時だけでなく、
目隠しシール内の英数字を他人に覚えられてしまうと、
それだけで、権利証を盗まれてしまった状態に近くなるということです。

なお、現在の最新の登記識別情報では、
従来の目隠しシールを貼っていた部分を、
折込式にしたものになっています。

スポンサーリンク