この記事の監修者

行政書士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:行政書士、土地家屋調査士。
主な取扱い専門分野:遺産相続手続き全般。

経歴:開業以来16年間、相続手続きに関する業務を全国対応で行ってます。
行政書士のプロフィールはこちら

名寄帳には、一番上に、住所と所有者名が記載されています。
ただ、所有者名の箇所には、
所有者(納税義務者)とも書かれています。

そして、名寄帳とは、ある人(所有者)が、
名寄帳を発行した市町村内に所有している、
すべての不動産を一覧にした書面のことです。

そのため、名寄帳には、所有物件の所在、地番、種類、構造、面積、
それぞれの不動産の評価額、課税標準額なども、
すべて記載されているのです。

逆に、ある人の名寄帳を市区町村に請求したとしても、
その市区町村内に、ある人が不動産を1つも所有していなければ、
その人の名寄帳は無い、取得できない、ということになります。

名寄帳について、以上のことを理解した上で、
名寄帳の見方について、説明していきます。

まず、名寄帳の一番上の方には、
住所と、所有者の欄があり、この所有者名によって、
役所で管理されているのです。

そして、所有者名については、普通は、1名の記載がされているのですが、
他の人との共有物件の場合には、
所有者名 外3名、といった感じで記載されています。

つまり、この所有者名の記載によって、
所有者単独の物件なのか、それとも、他の人との共有物件なのかが、
わかるということです。

スポンサーリンク

次に、名寄帳には、土地、家屋の明細が細かく記載されていて、
それぞれの不動産の評価額も記載されています。

まず、土地については、すべて法務局で登記がされていますので、
登記地目、登記地籍といった項目があり、
登記上の土地の種類と面積が記載されています。

ただ、土地については、課税地目という項目もあり、
現地の土地の状態によっては、
登記地目とは異なる種類になっていることがあります。

課税地目とは、現地の今の状態を反映したもので、
もし、登記地目が雑種地であったとしても、
課税地目は宅地、又は宅地見込み地、などになっていることもあるのです。

登記地目はあくまで、法務局に登録されている地目ですので、
現在の土地の状況とは、
必ずしも一致していない可能性があります。

ただ、少なくとも、過去には、登記の地目であった期間があり、
現在までの間に、土地の状況が変わって行き、
現在では、課税地目の状況になっていると言えます。

そのため、登記の地目が雑種地であっても、
課税地目が宅地と認められていれば、
雑種地の固定資産税と比べると、少し高くなっていることが多いです。

しかし、課税地目の判断については、
市区町村が判断した結果ですので、
土地の現在の状態を変えない限り、どうしようもありません。

次に、建物については、所在地番、家屋番号、種類、構造、
床面積などが記載されていますが、
家屋番号の記載の有無によって、登記された建物かどうかがわかります。

見方としては、名寄帳の家屋の記載欄に、
家屋番号の項目があるのですが、
登記されていない建物の場合、家屋番号の記載がありません。

逆に、登記されている建物の場合には、
家屋番号の記載がありますので、
もし、所有者が亡くなっている人名義の建物であれば、
法務局で、名義変更の必要な建物ということがわかるのです。

次に、土地、家屋、それぞれの不動産の評価額を知りたい時には、
評価額の項目を見れば、評価額が載っています。

似たようなのに、課税標準額という項目もありますが、
こちらは、税額を出すための価格であって、
不動産の評価額とは意味が違います。

スポンサーリンク